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連載第3回:KEYVOXで始めるスペースレンタル  各プラットフォーマーの特徴

更新日:2020年1月10日


顧客ニーズの多様化と空き部屋の有効活用のニーズが合致して、近年急速に市場が伸びてきたのがスペースレンタルです。スペースレンタルは空間を借りたい人と、空間のマッチングですので、実は顧客対応コストを極限まで下げて運営することで、ビギナーでも十分に利益の出るビジネスです。本連載では利益の出るスペースレンタル運営のコツを紹介していきます。


 


3.各プラットフォーマーの特徴

4.物件の見つけ方

5.スマートロックの設置

6.内装工事と各種デバイス

7.プラットフォームへの登録

8.自社サイトの構築

9.運営開始とKEYVOXを利用した運営方法

10.顧客とのコミュニケーション

11.レビューを獲得する

12.日々のメンテナンス

13.運営のコツ

14.利益を出すために


 

各プラットフォーマーの特徴


今回は、スペースレンタルには欠かせない各プラットフォーマーの特徴について見ていきましょう。オンライン旅行サイトは通称OTA(Online Travel Agency)として長い歴史を持ちます。日本では楽天トラベルやじゃらん、海外ではBooking.comやExpediaといった大きな流通額を誇るサイトが多数あります。一方でスペースレンタルのマーケットはまだまだ出てきたばかりで、オンラインで物件オーナーと利用者をマッチングさせるサイトはまだまだ小粒で、世界標準というものもありません。


そのような中でも国内市場に目を向けてみると、いくつかのオンラインスペースレンタルのマーケットプレイスプレイヤーが育ってきています。それらを自身は資産を持たずに貸し借りを媒介する場を提供するという意味の「プラットフォーマー」と呼びます。

正確な数字は出ていませんが、国内首位はスペースマーケットで、以下インスタベース、スペイシーと続くようです。


1.スペースマーケット



いかにもマーケットプレイスプレイヤーらしい特徴をもったプラットフォームです。料率は30%とそこそこ高額ですが、抜群の集客力があるのでスペースレンタルの運営上欠かすことの出来ないサービスとなっています。

ホスト、ゲスト共に審査があり安全な場の提供に注力しています。レビューシステムが双方向レビューとなっており、双方のレビューが記載されないと、お互いに公開されないという仕組みを採用しており、悪いレビューの報復などが起こらない仕組みをとっています。一方で当然そのような状況で余程の事が無いと悪意のあるレビューはかかれないため、ホストに対するレビューは実際の時間単価に対する価値のレビューが多く、ゲストに対しては通り一遍等なありがとうございましたの五つ星レビューが多いのが現状です。

スペースマーケットの特徴はオンライントラベルサイトと同様に多数のプランを簡単に作れることで、例えば期間限定のセール等を簡単に作ることができ売上を伸ばすことが可能となっています。


オンラインで物件を選ぶ時に重要なのは物件の写真ですが、スペースマーケットは多数の写真を掲載できるのはもちろん、各写真に対してコメントをつけることができるので、ホストの思いを伝えやすい仕組みになっています。

コミュニケーションはシステム内の受信ボックスで行われ、ホストの指標としては、予約成立率や返答率、返答時間などがKPIと管理されます。困るのは通常の会話をして先方が、「分かりましたありがとうございます!」と会話が終わっていても、ホストから無理やり返信をしないと、返答率の指標に悪影響がでてしまうことです。システム的に返答率を計算しているとはいえ、終わった会話に無理やり返答するのも非常に気持ち悪いのでなんとかして欲しいところです。


システム的にも非常に安定しており、通常の運用で使いづらいという点はほぼないと言えます。また、他社がiOSだけのアプリが多い中、スペースマーケットはAndroidにも注力しており、また、ホスト専用のアプリもあるため忙しいホストがスマホだけで物件を運用する際にも非常に重宝します。

カレンダーはGoogleカレンダーと連携しているため、他のプラットフォームとの在庫の連携もスムーズです。


シェアリングエコノミー協会に入っているので、シェアリングエコノミー保険でホストの施設が守らてているのも大きなメリットです。

ホストにとりスペースマーケットの最大の利点は、売上金の入金が早いという点です。他のプラットフォーマーは月末締めの翌月末払いが多数であり、最大60日近い売上の回収サイクルであるのに対して、スペースマーケットは予約毎に決済をして5日程度で入金されます。資金繰りを考えても非常にメリットの多いプラットフォームです。


2.インスタベース



インスタベースもホストの審査制を取っており、運営会社と運営者の本人確認が終了して初めて物件の掲載が開始されます。料率は35%でプラットフォーマーの中では最も高い部類に入ります。それでも使うことが推奨されるのはそこそこの集客力があるからです。それぞれのプラットフォーマーの得手不得手の分野がありますが、全体の売上のうちスペースマーケットが半分程度稼ぐとしたら、インスタベースは30%から35%程度は稼ぐのではないでしょうか。

インスタベースは掲載審査が通過した後も、修正毎に審査があるのでタイムリーなコンテンツ変更がやりづらいのがデメリットです。とはいえ翌営業日には審査が終わる事がほとんどですので、さほど影響はないかもしれません。


レビューシステムに関しては、ゲスト側がホストの評価をする一方通行の評価システムとなっております。ホストがゲストのレビューを書けないというデメリットはあるものの、日々の運用を考えたら、レビューを書く手間が不要なのでむしろメリットかもしれません。このようなシステムを取っているため顧客とのやりとりも非常にシンプルで要件だけで済むことも多いです。一方で、メッセージ管理が顧客ごとのスレッドになっているため、複数予約をされるリピーターなどはどこの予約までの会話をしたかが非常に分かりづらくなっています。そのため、スペースマーケットに比べて圧倒的にコミュニケーションミスが多く、スマートロックの暗証番号忘れて等が起こりやすいシステムとなっているので運営上の注意が必要です。


顧客用アプリはゲスト用のみの提供で長らくiOSのみでした。ホスト要アプリはなく、またWEBの管理画面もモバイル用のレスポンシブ設計ではないため、PC用の画面をモバイルから操作する必要があります。常にオフィスを離れているホストには少々管理しづらい管理画面です。

カレンダーはこちらもGoogleカレンダー連携がされているので、他のプラットフォームとの在庫の連携がスムーズです。

売上金に関しては月末締めの翌月末払いのため、最大60日近い売上金の現金化に時間がかかります。

インスタベースも独自の保険を提供しており、全ての予約に対して破損事故があった時等に専門の代理店が保険手続きを進めてくれます。

以上、集客率等を考えてメリットの多いプラットフォームですが、料率が35%と高額なので、スペースマーケットの次席というポジションになるのではないでしょうか。



3.スペイシー



上記2つと比べても老舗のプラットフォームです。料率は25%と他社と比べて良心的な設定になっています。スペイシーの特徴は貸し会議室などビジネスに力を入れており、オフ会や、スタジオ等も探せますがメインが貸し会議室のプラットフォームです。スペイシーの特徴は審査がなく物件の掲載が始まる点です。何故そのような仕組みを取っているのは不明なのですが、無い物件が掲載されたりすることもあるかもしれないので注意が必要です。また、掲載した物件の削除ができない(非公開にはできる)とか、登録途中にシステムエラーが頻発する等、少々システムに弱い印象があります。


システムの弱さに関しては、ゲストとのコミュニケーションに関してもそうで、スペイシーは数少ないゲストの連絡先を公開して、各自自由に連絡を取り合う方式を取っているプラットフォームです。メリットは自分の好きなコミュニケーション手段で顧客に連絡が取れる点ですが、デメリットは他のプラットフォームが自社管理画面内にコミュニケーションツールを備えていることを考えると、スペイシーだけ自由になっているメリットが殆んどなく、むしろ管理画面からゲストとのコミュニケーション履歴が追えないため、コミュニケーションミスが起きやすい構成となっています。


Googleカレンダーに関してはつい最近連携を開始しました。これにより他のプラットフォームと在庫連携ができるようになり、即時予約を受け付ける事ができるようになりました。

ビジネス系に力をいれていることもあり、コワーキングオプションもあります。但し、コワーキング形式は他のプラットフォームが受け付けていない事が多く、スペイシーだけコワーキングで売っても、在庫が埋まりにくいことが課題です。

売上金の入金は月末締めの翌月末払いとなっています。


4.スペなび



4番手以降になると予約流通額が非常に少なく、果たして掲載している意味があるのか悩ましいところです。しかし、スペなびもGoogleカレンダー連携をしているので、ダブルブッキングすること無く売ることができることを考えると、幅広い間口のひとつとして掲載しておくことをお勧めします。料率も20%と、最安値クラスです。


スペなびの特徴は、料金設定のきめ細かさです。曜日や時間帯、利用人数によっても金額を自由に変えられるため、もしかするとパーティー用途など部屋1個単位ではなく、部屋を利用する人数により料金設定を変えたい場合等に最適かもしれません。

ゲストとのやりとりはWEB管理システムのコミュニケーションツールを使います。PCだけですので、スマホでのやり取りは非常に面倒です。また、記載できる文字にも非常に多くの制限があり、普通に電話番号を記載したり、スマートロックの暗証場暗号を記載したりすることが出来ません。そこまで、神経質にならなくてもいいのではないかと思いますが、事実として顧客との緊急連絡は非常に取りづらいです。

こちらも売上金は月末締めの翌月末払いです。


また、最近はゲストもよく分かっており、同じレンタルスペースを違うプラットフォームで探して最安値を見つけて予約してくることもあります。従い、スペなびが20%で安いからと、安い値段で掲載しておくと、他の高く売れるサイトで売り損ねたりします。価格戦略は非常にデリケートなので、また別途記事にしたいと思います。


以上、4つのプラットフォームの説明をしてきました。こうしてみてもそれぞれに特徴があり面白いですね。とはいえ、やはり使いやすさは売上の差であり、それを原資にシステム増強もしていることも考えると、大きいところから載せていくのが正攻法のようです。


次回は、物件の見つけ方についてご説明致します。

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